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― 院長ブログ ―

2022-03-26


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攻めのリハビリテーション

南海和歌山市駅から車で5分のマルヤマ歯科です。

今から約10年前、和歌山県保険医協会の新聞で和歌山県立医科大学リハビリテーション医学の田島文博教授の講演会の要旨を読みました。衝撃を受けました。「人は健康でいたいのであれば運動し続ける必要がある。」と書かれていました。その時のまとめを以下に書きます。

攻めのリハビリテーション

はじめに

30年前、初めて車椅子マラソンを応援したことが、今のきっかけだった。当時は「障害者にマラソンなんて・・・」医学界、マスコミ、行政もみんな反対だったが、医学的コントロールの基での運動は、障害者にも有効なことが分かった。今では、パラリンピックを危険だとは誰も言わなくなった。

無重力状態と寝たきり状態

かつて宇宙滞在日数18日と世界記録を作った旧ソ連のソユーズの宇宙飛行士は、地球に帰ってきた時には、自力で歩けず抱きかかえられての帰還だった。関係者を驚かせたのは、当時の宇宙飛行士は、オリンピック選手級のアスリートだったからだ。無重力状態では、寝たきりと同じ状態が起こることがわかり、ベッドレスト実験という寝た状態で1日中過ごす実験が開始された。仮説通り、限りなく無重力状態に近くなり、18日間で、心臓の筋肉が薄くなり5%も小さくなった。3か月では、3分の1にまで小さくなることが分かった。

運動しないと弱る

寝たきり状態では、無理なく心臓に血液が戻ってくるので、体は血液が多すぎると判断して量を減らしてしまう。3日間で20%も減少するそうで、立ち上がると、血液が心臓まで戻らなくなり、立てなくなってしまう。

それらのことから、何をしたらよいのか、何をしたらいけないのかということが分かった。衝撃の事実として「ヒトは、じっとしていると、弱る」元気でいるコツは、「ひたすら運動すること」だ。

ただ、怖いのは、突然死。運動中の事故で頻度が多いのは、整形外科的障害や外傷だが、重篤なのは突然死。頻度は全体死者の10パーセント8万人くらいといわれているが、運動中は、その約1パーセントの800人くらいと推察される。かかりつけ医を見つけ、メディカルチェックを受けることは絶対に必要だ。

安静は麻薬

「安静は、麻薬」「とても気持ちが良く、すぐに体に悪影響を及ぼさないが、確実に体をむしばんでいく」と言い切る田島先生。

ベッドレスト実験被験者再調査

ベッドレスト実験の被験者を、30年後に再調査した。ほとんどの方が、最大酸素摂取量は、高齢にもかかわらず、30年前と変化がない。あの実験で、「動かないことの怖さ」を体験し、皆さん運動されていたそうだ。また、初めての車椅子マラソンの選手たちも20年後に調べた結果、最大酸素摂取量は、大半の方は20年前と同じで、皆さんハーフマラソンをやられていた。なんとフルマラソンを継続されていた2人は、20年前よりも増えていた。

攻めのリハビリ

和歌山県立医大では、術前からリハビリを開始する。がんの診断と同時にリハビリ科が紹介され、すぐに運動療法に入る。体力を整えてから手術をすると、術後感染症の確率が大きく減る。大手術といわれる食道がん手術後も翌日から歩行訓練をする。「医療は、リスクを恐れては、患者さんを救えない。医療のリスクを少なくするというのは、医療をしないということ」発症早期から、徹底的にリハビリをすれば重篤な障害は残らない。我々は命がけでリハビリをしている。それは、患者さんの「機能」をよくするためで、患者さんも頑張る。これが「攻めのリハビリ」ということだ。リハビリは、廃用予防でない。患者さんを劇的によくする方法だ。

全身の活性化

運動が全身を活性化していることがはっきりしてきたが、その1つに、筋収縮によって「マイオカイン」というホルモンの1種が出てくる。さらにBDNFという脳細胞の増加に不可欠な液性タンパク質も増加する。記憶や学習にも大きな役割を担い、安静時の血中BDNFは記憶や、認知症のマーカーとなる可能性も言われている。精神病院入院中の患者さんに3か月間筋肉トレーニングを実施すると、明らかに認知機能に差が出てきた。脳と筋肉はつながっているという証拠だ。でも、ただ歩くだけではダメです。「マイオカイン」は、1時間以上歩いて初めて出てくるそうだ。

さいごに

日本人が全員運動すれば、40兆といわれる国民総医療費の2割が削減されるという。「運動は万能薬。安静は麻薬」運動することは、皆様や、ご家族、ひいては日本、地球を助けることになると結ばれた。

 

この文章を読んで運動しなければならないと思いました。次回私が健康のため始めた運動について書かせていただきます。

 

 

 

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